フタコイオルタナティブ
★★★☆☆
“――3人でいたい――”
日本のどこかにある普通の下町「二子魂川」の一角で、
死亡した父親の跡をなんとなく継いだ私立探偵・双葉恋太郎。
彼の元に、謎めいた双子・白鐘姉妹が現れ、なし崩しのまま奇妙な同居生活が始まる。
犬猫探しぐらいしかない探偵稼業、個性豊かな住民たちとの触れ合い、
時折騒動が起きつつも平和な日常は、いつまでも続くようだった。
しかし、数年前にニコタマを混乱へ陥れた組織の魔手が、
恋太郎と白鐘姉妹の“3人でいる日々”を破壊しようと、再度ニコタマへ迫っていた。
雰囲気イカアニメ
この作品、非常に好き嫌いが分かれる作品です。
独特な雰囲気とスローな展開、過去回想の重さなど
人によっては見るのを辞めたくなる要素もあり、人によっては何となく見てしまう要素がある。
独特なのは双子が多い街という設定。
登場する主要な女の子キャラのほとんどが双子であり、
同じ顔で別の声優さんが演じてる双子が結構多く出ます。
世の中に双子フェチや双子マニアなるものが存在するかどうかはわかりませんが、
狙い目があまりわかいにくい設定だと思われます。
実際この設定に縛られてしまったゆえに、明らかにいらないキャラクターや
掘り下げの少ないキャラクターがおり、この設定は生かしきれていない。
あえて言うなら1粒で2度美味しい的な感じなんだろうか???
ストーリーの方は、双子姉妹と主人公の生活が始まっているところから始まる。
第一話の謎の戦闘シーンが後半への伏線になっていたり、
所々介入される回想が伏線になっていたりとやりたいことはわかります。
しかし、これが非常にスローテンポなストーリー展開の中に散りばめられているため
このアニメの雰囲気を楽しむ事ができるなら後半楽しむことが出来ますが、
雰囲気を楽しめなければ中だるみを感じてしまうだけになっているのはもったいない。
そのせいかギャグ要素が滑り気味になっているのはいただけない。
演出や作画は悪くはない。
むしろ高水準と言っていいくらいに良く動き、いい表情を描いている。
このおかげで心情表現が見ている側によく伝わり
このアニメのいい世界感を楽しむことが出来るようになっている。
しかし、後半からのストーリー展開が受け入れ難い。
双子との生活が変わり、双子の秘密がわかり、極めつけはイカ。
イカファイヤーと呼ばれる生物兵器がこの世界に登場します。
イカと人間のDNAを合体させた生物兵器がイカファイヤーなのですが・・・
前半は萌え、後半は燃えテイストになっております。
イカファイヤーと主人公の戦いは作画のよさもあり非常に熱く
後半のど派手なアクションシーンの数々は評価すべきポイントです。
ある意味、前半のほんわかアニメとバカバカしいとも言える熱血アニメの
ギャップと楽しむアニメとも言えるかもしれません。
個人的には楽しめた、もう一度見たいとは思わないけど
こういう「バカバカしい」と素直に思えるアニメは少ないですからね。
しかしこの作品、主人公の声優である関智一さんに助けられていた感はある
彼の語りと、熱血ボイスはこの作品にはなくてはならない存在だった。
もう少しストーリー構成とテンポが早ければ高い評価をつけられたかもしれません。
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