★★★★☆
大学を中退して4年目の佐藤達広は、ひきこもりとなっていた。
佐藤は、自分が大学を辞め、無職でひきこもりであることなど全てが、
謎の巨大組織の陰謀であると妄想する。その組織の名はNHK(日本ひきこもり協会)。
そんな折、中原岬と名乗る謎の美少女が佐藤の前に現れる。
佐藤をひきこもりから脱却させるべく、岬は「プロジェクト」の遂行を宣言。
「プロジェクト」の目的が不明のまま、岬による佐藤のカウンセリングが始まる。
全てはN・H・Kの陰謀だ!
名前のせいで新聞のテレビ欄で「ようこそ」だけと明記されたり、
N・H・Kと、間に・を入れられたりと、名前のせいで
色々と問題になったNHKにようこそ!
NHKの略は「日本ひきこもり教会」となっている。
その名の通り、ひきこもりを題材にした非常に重い作品に放っているが
見れば見るほど先が気になる展開運びは非常に良かった。
大学中退でダメ人間、親の仕送りで生きている佐藤に
たまたま会ったヒロイン「岬」が一生懸命ヒキコモリを直そうとする。
ただ、この直し方と言うのが天然なのか、策略なのかわからない
小悪魔的な魅力を秘めている彼女。
この「岬」が居なければ本作品は始まらない。
後半で明かされるが、自らも高校中退しており複雑な家庭。
自分よりダメな佐藤に、自分を好きになって欲しい。
自分の存在価値を認めさせたいがために、彼女はひきこもりを直す努力をしながら
佐藤の愛情を求めて行く。
デートにいったり、食事を作ったり、佐藤に健気に接する彼女は非常に愛くるしい。
しかし、この主人公である佐藤のダメっぷりが凄い。
岬に自分がニートではない!ひきこもりではない!ということを証明するために、
隣に住んでいた後輩と一緒にエロゲーを作ったり、自殺サイトのオフ会に流れで参加してたり、
はたまたネットゲームにはまり、更にはマルチ商法にひっかかる。
典型的なダメ人間である(苦笑)
「おいおいw」と思いながらも、次々に彼に起こる不幸な展開は観ていて面白く
どうやって「ヒキコモリ」を脱出するのか楽しみにしていた。
しかし、この脱出方法は非常に単純だった、飢えだ。
仕送りがなくなり、金がなくなり、食事を作ってくれる「岬」も居ない。
そういう状況では生きるために働くしか無い。
非常に単純だが、現実的だった・・・。
また、最終話は非常にあっさりしていたが、良い展開だった。
佐藤と岬には幸せになって欲しい。というか、岬は幸せになって欲しい。
キャラクターの性格描写や、魅力が非常に良く出ている作品でした。
ある意味名作なのですが、もう一度見たいと思わせるような内容ではなく
一回見ればお腹いっぱいな作品です、非常にテーマや展開が重いので・・・
もう少しなにか明るい要素があれば万人受けすると思うのですが、
現実的な作品なので仕方ないですね。
見てて楽しむ作品、というよりは魅入って考えさせられる作品です。
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