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アニメ学校を卒業し、念願のアニメ業界に就職することになった大黒みき子は、
初めての職場「スタジオプチ」に出社、そこで「制作デスク」である
追浜の手厚い歓迎を受けることになる。
しかし、その追浜は大黒みき子に「くろみ」というあだ名を勝手に付け、
社内を一通り案内したあと、突然胃潰瘍で倒れて救急車で運ばれてしまう。
必要悪なんて必要ありません!
アニメの制作会社にスポットを当てた非常に珍しい作品です。
しかし、それだけじゃない!!!
この作品にはアニメ対する制作の熱い思いが詰まっていました。
過酷な制作現場に就職してしまった「くろみちゃん」が
非常に一生懸命、努力し汗をかき情熱を燃やす。
アニメが好きだからと無理な仕事も頑張ろうとする。
アニメ制作の細かい部分は忠実に再現していないかもしれませんが、
大きな流れや内容を非常に良く描いており、
アニメ制作に関わりたいと思う人には是非見て欲しい作品です。
第1話では、アニメ制作の設定を生かし、キャラクターが良く動いていました。
そして第2話から、このアニメの制作の思いがひしひしと伝わってきました。
アニメ3本同時制作進行の過酷な状況の中、
様々な部分を手抜きにしてしまうがスケジュール通りに上げる先輩がやってくる。
人も居ない、金もない、時間もない。
だったら、その出来る環境の中で最低限のレベルのものを仕上げようとする先輩。
しかし、そんな妥協した作品がどんなものになるのかをわかりやすく「くろみちゃん」と
視聴者に伝えてくれます(いわゆる作画崩壊)
そして、こんな作品では駄目だ!と「くろみちゃん」が熱く、熱く、熱く!動きまわります。
大げさな動きや、コメディ要素を混ぜつつ、最後には感動させる。
この大雑把だが綺麗にまとまっている作品は
アニメ制作がいかなるものか教えてくれました。
「よく動くな」「作画スゲェ」「おもしろい!」
普段は一言で済ませてしまっているアニメの評価の中には
こんな隠れた努力があることを思い知らされました。
更にはこの作品に関わったスタッフがエンドロールで
この作品の中と同じことをしていたのには不覚にも感動してしまいました。
OPからエンドロールまでしっかりと見ることができ、
更にはこのアニメを見ると、アニメに対する見方が少し変わってしまいます。
影響力のある、骨太な作品です。
アニメを好きなら、一度は見てください。
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